モニターの応答速度ってなんだ…
どれくらいの応答速度を選べばいいんだろう。
こういった悩みを解決します。
本記事では、応答速度について1から解説します。
また、意外と知られていない「応答速度の表記方法と意味の違い」についてゲーマーの方向けに深掘りして解説します。
初心者の方でも分かりやすいようイラスト付きで説明していきますね。
モニターの応答速度とは?
応答速度とは、下記のとおり。
応答速度:「画面の映像の色が切り替わる速度(ms)」
上記のとおり。
応答速度とは、「画面の色の切り替わる速度」で、モニターの映像の残像感に影響してきます。
応答速度の映像への影響
応答速度の速い遅いによる、映像への影響を説明します。
応答速度の例
- 1ms(速い):シャープで鮮明な映像
- 10ms(遅い):映像がぼんやりしたり、輪郭に残像がでる
上記のとおり。
応答速度の違いは、映像に大きな影響がでます。
ゲームに及ぼす影響
応答速度は、映像の残像感に影響します。とくに、描写が激しく高速なゲームにおいては、応答速度の差は、映像に大きく影響することになります。
応答速度が遅いことの影響は、下記のとおり。
- 残像感が出るため、相手の残像をエイムしてしまう
- リコイルコントロールがしにくくなる
上記のとおり。
ゲームにおいては、わりと致命的なデメリットですよね。
応答速度の表記
意外と知られていませんが、応答速度の表記には2種類ほどあります。
※少しむずかしいかもですが、ゆっくり読んでみてください。
応答速度の表記方法は、下記のとおりです。
応答速度 | 黒→白→黒の表示にかかる時間 |
応答速度GtG | 中間色→中間色→中間色の表示にかかる時間 |
上記のとおり。
図解すると、このような感じです。
上記のとおり。
「応答速度」と「応答速度GtG」の表記では、意味していることが違います。
GtGとは、Gray to Gray=グレーからグレーという意味です。
グレーとは、白と黒意外の、全ての中間色を意味します。
応答速度の表記の落とし穴
応答速度の表記の違いには、落とし穴が隠れています。
本記事で、1番重要なポイントなので理解しておきましょう。
ポイント2つ
- ①:「応答速度GtG」より、「応答速度」の方が、速い値がでるということ。
- ②:参考にするべきは、「応答速度GtG」ということ。
理解するべきポイントは、上記の2つです。
深堀りして解説していきます。
感の良い人は、これだけで理解可能かもですが、1つずつ分かりやすく解説しますね。
結構文字が多くなりますが、ゆっくり読めば理解できると思います。
①:「応答速度GtG」より、「応答速度」の方が、速い値がでる
モニターは、「中間色→中間色→中間色」よりも「黒→白→黒より」の方が、色の切り替わりが速いです。
これはモニターの仕組み上決まっていることで、全てのモニターでいえます。
色の変化の仕組み
液晶モニターでは、液晶の分子に電圧をかけることで、色を変化させています。
わかりやすく、白=電圧0、黒=電圧100、それ以外の中間色が1~99とします。
0→100というのは、差が大きく時間がかかりそうですが、調節が必要ないため、電圧を最大出力すればOKなので、高速です。
30→70では、差は大きくありませんが、電圧の微調整が必要なので、0→100よりも時間がかかります。
上記のとおり。
自分が手動で色を操作すると、考えたら分かりやすかもです。
0から100に調節ネジを操作するときは一瞬でできますが、30→60だったら慎重に操作しないとですよね。
これらが、「応答速度GtG」より、「応答速度」の方が、速い値がでる理由になります。
②:参考にするべきは、「応答速度GtG」
応答速度において、参考にするべきは「応答速度GtG」です。
理由は以下のとおり。
映像が、黒→白→黒のタイミングなんてほぼ無く、ほとんどの映像は、中間色の変化の連続だから
黒→白→黒→白みたいな映像がモニターに表示されることなんて、ほぼないですよね。
応答速度を気にするのは、ゲーマーだけです。
ゲームにおいては、カラフルな中間色の連続ですよね。なので、ゲーミングモニターにおいて参考にするべきは、「応答速度GtG」ということです。
応答速度は、何ms以下を選べばいいか?
応答速度については、理解してきたけど、じゃあ応答速度は、何ms以下を選べばいいのかな?
それは、モニターのリフレッシュレートによります。解説しますね。
たとえば下記が例です。
- ①リフレッシュレート60Hz=1秒間に60回画面を更新。
- ②1秒間=1000ms。
- ③画面の更新速度→1000ms / 60hz =16.6msで1フレームが更新される。
- ④16.6ms以下の応答速度でないと、残像が残ってしまう。
残像が残らないための応答速度は、計算より求めることができますね。
わかりやすく、表にまとめてみると下記のとおりです。
リフレッシュレートと応答速度の関係表
リフレッシュレート | 画面更新速度 | 推奨応答速度 |
60Hz | 16.67ms | 16ms以下 |
144Hz | 6.94ms | 6ms以下 |
240Hz | 4.17ms | 4ms以下 |
上記のとおり。
リフレッシュレートに比例して高い応答速度が必要になることになります。
各メーカーの残像低減技術
リフレッシュレートに見合った応答速度であれば、計算上は残像がないことになりますが、人間の目は錯覚的に残像を少なからず認知してしまいます。
そこで、各メーカーから残像を低減する技術が開発され、最近のゲーミングモニターに導入されています。
これは、フレームの更新時にブラックフレームを挿入することで、前のフレームの残像を低減する技術です。
BenQの「DyAc」なんかも、これに似た技術で残像の極限まで少ないモニターを開発しています。
「DyAc」については、FPSで有利になる「DyAc」の効果と仕組みとは?【解説】で詳しく解説しています。
応答速度まとめ
最後に、ゲーミングモニターの応答速度についてのまとめです。
- 応答速度とは、映像の色の切り替わる速度
- 表記には、「応答速度0」「応答速度GtG」があり、参考にするべきは「応答速度GtG」。
- リフレッシュレートによって、必要な応答速度は決まる
- 応答速度の速さ以外にも、各メーカーの残像低減技術が存在する
ゲーミングモニター選びは、下記の記事からどうぞ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。参考になれば幸いです。